今日は、商標審決を取り上げてみようと思います。
具体的には、「VivitEye」と「ヴィヴィットアイ」の文字からなる商標を出願したところ、審査段階では、指定商品中「眼科用剤」以外の「薬剤」に使用するときは,商品の品質について誤認を生ずるおそれがあること、「ビビット」の称呼(呼び名)が生じる引用商標が存在することを理由に拒絶査定がなされ、その拒絶査定に対する審判が請求された事案です。
(1)商標法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は,前記1のとおり,「VivitEye」及び「ヴィヴィットアイ」の各文字を上下二段に書してなるところ,上下段の構成各文字は,同書,同大,等間隔で,それぞれ書体や文字の大きさを同じくして,構成全体としてまとまりよく一体的に表されているものであり,係る構成態様にあっては,構成全体をもって一体のものと理解,把握されるとみるのが自然である。
そして,たとえ,その構成中の「Eye」の欧文字又は「アイ」の文字が「目,眼,瞳,眼球,目のまわり,目もと」等の意味を有するよく知られた英語又は外来語であるとしても,これらの文字部分が直ちにその指定商品の品質を表したものと理解されるとはいい難いものである。
そうとすれば,本願商標は,これをその指定商品に使用しても,商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものというのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第16号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
本願商標は,「VivitEye」及び「ヴィヴィットアイ」の各文字を上下二段に書してなるところ,上記(1)に記載のとおり,構成全体としてまとまりよく一体的に表されているものであり,それぞれから生ずる「ビビットアイ」の称呼も,淀みなく一連に称呼し得るものである。
そうとすると,本願商標の係る構成においては,殊更,「Vivit」又は「ヴィヴィット」の文字部分が着目され取引に資されるというよりは,むしろ,構成全体をもってその指定商品の出所を表示する商標として認識されるものとみるのが相当である。
してみれば,本願商標は,その構成文字全体に相応した「ビビットアイ」の一連の称呼のみを生ずるものであって,単に「ビビット」の称呼は生じないものである。
したがって,本願商標から「ビビット」の称呼をも生ずるとし,その上で,本願商標と引用商標とが称呼上類似するものとして,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は,妥当でない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第16号に該当するものではないから,これらを理由として本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
本願商標を一体不可分のものととらえることができるか否かがカギになりそうですね。それではまた次回。