「美箔」の商標に関する審決紹介

今日は、商標審決を取り上げてみようと思います。
具体的には、商標「美箔」(標準文字)を出願したところ、審査段階では、「美粕」の文字からなる引用商標の存在を理由に拒絶査定がなされ、その拒絶査定に対する審判が請求された事案です。

 本願商標は、「美しいこと」を意味する「美」の文字と「金・銀・銅・錫・真鍮などをたたいて、紙のように薄く平らに延ばしたもの。(広辞苑第六版 岩波書店)」の意味を有する「箔」の文字とを連結して「美箔」と書してなるものであるから、その構成文字に相応し、「ビハク」の称呼を生ずるものである。また、「美しい箔(金等をたたいて紙のように延ばしたもの)」ほどの意味合いを認識させるものである。
 一方、引用商標は、「美しいこと」を意味する「美」の文字と「酒を醸し、液汁を漉して残ったもの。酒のかす。(広辞苑第六版 岩波書店)」の意味を有する「粕」の文字とを連結して、「美粕」と書してなるものであるから、その構成文字に相応し「ビカス」の称呼を生ずるものであり、本願商標と同様に、「美しい酒のかす」ほどの意味合いを認識させるものである。
 ところで、本願商標から生ずる「ビハク」の称呼は、本願の指定商品である「化粧品」との関係においては、「【美白】肌、歯などを白く美しくすること。『美白効果』(精選版 日本国語大事典 小学館)」に通じるものであるから、その称呼自体に識別力があるとは言い難く、本願商標は、その外観、観念によって自他商品識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
 そこで、上記事情を踏まえ、本願商標と引用商標の類否について検討する。
 本願商標と引用商標は、共に漢字2文字の構成からなり、第1文字目に「美」の漢字を共通にするものであるが、第2文字目に「箔」と「粕」との明らかな相違があることから、外観上十分に区別し得るものである。また、両商標は、「美しい箔(金等をたたいて紙のように延ばしたもの)」と「美しいさけの粕」との異なった意味合いを認識させるものであるから、観念上も相違するものである。そして、上記のとおり、本願商標から自他商品識別標識としての機能を発揮する称呼を生ずるとはいえないから、称呼においては比較し得ないものである。
 そうすると、両商標をその指定商品に使用しても、互いに相紛れるおそれはないというのが相当である。
 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。 

引用商標から「ビハク」の称呼が生じないとすれば、そのことも審決に影響を与えたかもしれませんね。それではまた次回。

【商標登録】ナレッジコンダクト商標一番街: 「美箔」の商標に関する審決紹介
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