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2012年2月 6日(月) 04:58 JST

特許庁の最終判断:商標審決 第100回

  • 2010年12月 3日(金) 23:31 JST
  • 投稿者:
    Nagasaka

今日は、商標審決を取り上げてみようと思います。
具体的には、「Veeco」の文字からなる商標を出願したところ、審査段階では、「ビーコン」の称呼(呼び名)が生じる引用商標の存在を理由に拒絶査定がなされ、その拒絶査定に対する審判が請求された事案です。



本願商標は、別掲のとおり、赤色に着色された「Veeco」の欧文字と、「V」の中から「V」の左側の直線と交差し「V」の下側を通って「O」の中央を縦に貫き「C」の上部に至るまで、半三日月ないし三日月様の灰色に着色された図形を配した構成からなるところ、その構成中「Veeco」の欧文字は、赤色に着色され、顕著に表されていることから、該文字部分も独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認められる。
そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「ビーコ」の称呼を生ずるものであり、また、これよりは、特定の観念を生じさせないものである。
一方、引用商標1は、前記2のとおり、「BEACON」の欧文字を横書きしてなるところ、該語は、「《航海》《航空》ラジオビーコン、電波探知装置、灯台、」(「ランダムハウス英和大辞典」第2版 株式会社小学館 2002年1月10日発行)等の意味を有する語として一般に親しまれた語であるから、これより「ビーコン」の称呼を生ずるものであり、また、「ラジオビーコン」の観念を生ずるものである。
また、引用商標2は、前記2のとおり、「BCON」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、何らの意味を有しない造語と認められるものである。
しかして、特定の意味合い又は特定の読みを有しない欧文字にあっては、これに接する取引者、需要者は我が国において親しまれた外国語である英語読み又はローマ字読みをもって称呼するとみられるところ、引用商標2の語頭部の「BC」のつづりではじまる親しまれた英語を見いだせないこと、英語のアルファベットの第2字「B」を「ビー」と発音すること、第2文字以降の「CON」のつづりを有する「concert」を「コンサート」、「consent」を「コンセント」、「consult」を「コンサルト」と発音することからすると、これより、英語読み風に「ビーコン」の称呼を生ずるとみるのが相当である。
そこで、本願商標より生ずる「ビーコ」の称呼と引用商標1及び2から生ずる「ビーコン」の称呼とを比較するに、これらの称呼は、第1音ないし第3音の「ビーコ」の音を共通にするが、第4音においては、「ン」の音の有無に差異を有するところ、本願商標から生ずる称呼は、末尾の「コ」の音に余韻を残さず、全体として平滑に称呼されるものであるのに対し、引用商標1から生ずる称呼は、一般に親しまれた語であるから、末尾音の「ン」の音も比較的明瞭に発声・聴取されるものである。
次に、引用商標2から生ずる称呼は、前記のとおり、英語のアルファベットの第2字の読みと親しまれた英語の発音の例に倣い「ビー」と「コン」の2音節風に区切られて、発声・聴取されるものである。
そうすると、本願商標から生ずる称呼と引用商標1及び2から生ずる称呼とは、3音対4音といずれも比較的短い音構成からなることも相まって、これらの差異が称呼全体に与える影響は決して小さいものとはいえず、それぞれを一連に称呼する場合には、語調、語感が異なり、互いに紛れるおそれのないものというべきである。
また、本願商標は、図形を有するものであるうえ、文字部分についてみても、前記構成のとおり、引用商標1及び2とはつづり字を異にするものであるから、外観において明らかに区別し得る差異を有するものであり、さらに、観念においては、引用商標1は、「ラジオビーコン」の観念を有するも、本願商標は、造語であり特定の観念を生じないものであるから、本願商標と引用商標1及び2とは、観念において比較し得ないものである。
以上のことから、本願商標と引用商標1及び2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。

末尾音の「ン」は一般的に弱音といわれていますが、本件については比較的明瞭に発音・聴取されるケースなのかもしれませんね。それではまた次回。

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