特許庁の最終判断:商標審決 第65回

今日は、商標審決を取り上げてみようと思います。
具体的には、「Vitalearth」と「バイタルアース」の文字からなる商標を出願したところ、審査段階では、「家庭用殺虫剤」、「蚊取り線香」のメーカーである「アース製薬株式会社」が、本願商標出願前より前記の製品に使用している著名な「earth、アース」の標章と同じ文字を有している商標であることを理由に拒絶査定がなされ、その拒絶査定に対する審判が請求された事案です。

本願商標は、「Vitalearth」の欧文字と「バイタルアース」の片仮名文字を上下二段に書してなるところ、構成中の欧文字部分と片仮名文字部分は、それぞれ、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で、外観上まとまりよく一体的に表されており、これより生ずると認められる「バイタルアース」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、原査定で示したアース製薬株式会社は、主として家庭用殺虫剤などの製造・販売業務を行っており、その業務に係る商品「家庭用殺虫剤」に使用する商標「アース」が、取引者、需要者の間において広く認識されているとしても、本願商標は「化学品,せっけん類,化粧品,美容,美容に関する助言・指導・情報の提供,理容,理容に関する助言・指導・情報の提供」を指定商品及び指定役務とするものであり、「家庭用殺虫剤」とは、その生産・販売部門・取引系統等を異にするものである。
してみれば、本願商標は、その構成よりみて、一連一体のものと認識するのが相当であり、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、上記会社の商標「アース」を連想、想起させるものとはいえないから、本願商標は、同社又は同社と経済的、組織的な関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。 

商標全体で判断すれば、アース製薬株式会社を思い浮かべることはなさそうですね。それではまた次回。

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