特許庁の最終判断:商標審決 第38回

今日は、商標審決を取り上げてみようと思います。
具体的には、商標「千の風になって」(標準文字)を出願したところ、審査段階では社会公共の利益に反するもので穏当でないことを理由に拒絶査定がなされ、その拒絶査定に対する審判が請求された事案です。

本願商標は、前記1のとおり、「千の風になって」の文字よりなるところ、該文字は、2001年に作家の新井満がアメリカ発祥で作者不詳の詩「Do not stand at my grave and weep」に日本語の訳詞と曲をつけ発表したものである。そして、2006年にテノール歌手の秋川雅史がシングルとして発表し、同年の第57回NHK紅白歌合戦への出場を機に一般的に知られることとなったものである。

しかして、本願商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字からなるものでないことは明らかであり、また、本願商標をその指定商品に使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものとはいい難く、さらに、他の法律によってその使用が禁止されているものとすべき事実も認められないものである。

そうすると、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標というべきではない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。 

いろいろ意見が出そうですが、「千の風になって」という文字だけを見れば、公序良俗に反するとまではいえないのかもしれませんね。それではまた次回。

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