今日は、商標審決を取り上げてみようと思います。
具体的には、商標「焼肉一番団楽」(標準文字)を出願したところ、審査段階では「ダンラク」の呼び名が生じる引用商標の存在を理由に拒絶査定がなされ、その拒絶査定に対する審判が請求された事案です。
本願商標は、「焼肉一番団楽」の文字を書してなるところ、その構成中の「焼肉一番」の文字部分は、本願指定役務との関係においては、「一番良い焼肉を提供する」程の意味合いを理解、認識させるにすぎないものであり、該文字部分は、自他役務の識別力がないか、あるいは、自他役務の識別力があるとしても、極めて弱いものといい得るものである。
加えて、本願商標は、その構成全体より生ずると認められる「ヤキニクイチバンダンラク」の称呼がやや冗長であること、また、その構成全体より一連の特定の意味合いを認識させるものともいえないことから、簡易迅速を尊ぶ取引の場においては、本願商標に接する取引者、需要者は、自他役務の識別力を十分に有する「団楽」の文字部分に着目し、これより生ずる称呼及び観念をもって取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成全体より生ずる「ヤキニクイチバンダンラク」の称呼のほか、「団楽」の文字部分に相応して、「ダンラク」の称呼をも生ずるものと認められ、また、観念については、「団」「楽」の文字の漢字の意味より、「集まって楽しい」等の観念を生ずるものということができる。
これに対して、引用商標は、別掲に示すとおり、「暖」「楽」の文字を顕著に大きく書し、その文字の間に、上段に「よろこんで厨房」の文字を、その下に横線を引き、下段に「dan*raku」の文字を、それぞれ小さく書した構成よりなるものである。
しかして、その構成中、「暖」「楽」の文字部分は、「よろこんで厨房」「dan*raku」の文字部分に比べ、極めて顕著に表されていることから、「暖」「楽」の文字部分と、「よろこんで厨房」「dan*raku」の文字部分とは、視覚上、明確に分離して看取されるばかりでなく、両者を常に一体不可分のものとしてのみ把握しなければならない特段の理由も見いだせないから、それぞれ独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。
そうすると、引用商標は、その構成上、極めて顕著に表され、看者に強く印象付ける「暖」「楽」の文字部分をもって取引に資される場合も決して少なくないと判断するのが相当であり、また、「dan*raku」の文字部分が、「暖」「楽」の表音として認識させることも相俟って、「暖」「楽」の文字部分に相応して、「ダンラク」の称呼を生ずるものと認められ、また、観念については、「暖」「楽」の文字の漢字の意味より、「暖かくて楽しい」等の観念を生ずるものということができる。
そうしてみると、本願商標と引用商標とは、たとえ、「ダンラク」の称呼を共通にするとしても、それぞれの構成に照らし、外観においては著しく相違し、また観念においては前記のとおり、明らかな差異を有していることから、これらが取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等は異なるものであって、両商標を同一又は類似の役務について使用しても、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれはなく、両商標は、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標とみるのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、取り消しを免れない。
「ダンラク」の呼び名が共通しても、見た目や意味内容が異なることを理由に似ていないと判断されたこと今回のケースは、今後の参考になるかもしれませんね。それではまた次回。
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