特許庁の最終判断:商標審決 第26回

今日は、商標審決を取り上げてみようと思います。
具体的には、商標「アルバイトチャンネル」(標準文字)を出願したところ、審査段階では職業のあっせん等の質等を表すにすぎず、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあることを理由に拒絶査定がなされ、その拒絶査定に対する審判が請求された事案です。

本願商標は、前記のとおり「アルバイトチャンネル」の文字を同書、同大、等間隔で視覚上まとまりよく一体的に表してなるところ、これより生ずると認められる「アルバイトチャンネル」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。

そして、その構成中の「アルバイト」の文字が「(1)仕事。勤労。労働。(2)学問上の業績。研究の成果。(3)学生・研究者などが本業のかたわらに行う仕事。内職。また、それをする人。バイト。」を意味し、「チャンネル」の文字が「(1)水路。(2)有線通信の通話路。(3)ラジオ・テレビ放送で、適当な間隔をおいて並んだ各使用周波数に順次番号を付けたもの。」(いずれも、「広辞苑第六版」株式会社岩波書店発行)等の意味を有するとしても、これらの文字を結合した文字全体からは、原審説示の如き意味合いを常に特定して看取し得るものとはいい難く、また、これが本願の指定役務の質等を具体的に表示したものとはいえないから、むしろ、構成全体をもって一体不可分の一種の造語を表したものと認識、把握されるとみるのが相当である。

また、当審において、職権をもって新聞・雑誌・ホームページ等を調査するも、本願商標あるいは、本願商標と社会通念上同一の態様による標章を、本願指定役務に関して使用をしている事例は、請求人(出願人)の他、わずかしか見うけられないものであるから、本願指定役務に関連する業界において、役務の質等を表示するものとして、取引上普通に使用されているということもできない。

そうとすれば、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、単に役務の質(内容)、提供の用に供するものを表すものではなく、自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、また、その指定役務のいずれについて使用しても、役務の質について誤認を生ずるおそれもないといわなければならない。

したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。

請求人(出願人)以外に使用している事例があると、商標法3条1項3号に該当すると判断される印象がありますので、そのような事例があっても商標法3条1項3号に該当しないと判断されたのは、意外と画期的かもしれませんね。それではまた次回。

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