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2012年2月 6日(月) 04:00 JST
今日は、商標審決を取り上げてみようと思います。
具体的には、「ALPACA」と「FARM」の文字からなる商標を出願したところ、審査段階では(1)本願商標を使用しているか又は近い将来使用することについて疑義があること、(2)需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができない商標であることを理由に拒絶査定がなされ、その拒絶査定に対する審判が請求された事案です。
1 商標法第3条第1項柱書きについて
請求人が提出した平成21年2月13日付け手続補正書に添付された「商標の使用を開始する意思」及び「事業計画書」を徴すれば、請求人が、本願商標をその指定役務について、使用しているか又は近い将来使用することについて、疑義はなくなったとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の規定の要件を具備するものとなった。
2 商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は、別掲に示すとおり、ゴシック体で書された「ALPACA」及び「FARM」の欧文字を上下二段に書してなり、構成中の「FARM」の文字の下に、左向きの動物と思しきシルエット図形(以下「図形」という。)を配してなるものである。
しかして、本願商標の構成中の「ALPACA」の文字が、「アルパカ 南米産のラクダ科のひづめのある哺乳動物」等を意味する英語であり、「FARM」の文字が、「農場」(いずれも小学館ランダムハウス英和大辞典)等を意味する英語であり、これらを結合した「ALPACA FARM」の文字が、「アルパカを飼育する牧場」の意味合いを理解させ、かつ、図形部分が、「ALPACA」の文字部分より、「アルパカ」をモチーフとした図形と推測する場合があるとしても、本願商標全体からは、直ちに、「アルパカを原料とする商品」や「アルパカを使用してなる商品」であることを認識させるとは認められない。
してみれば、本願商標を、その指定役務中の「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用しても、原審説示の如き「アルパカを原料とする織物」「アルパカを使用してなる寝具類・被服・身の回り品」の意味を理解させるにとどまるものとはいえず、特定の役務の質等を具体的に表示するものとして理解されるものとはいい難いものである。
そして、当審において職権により調査すると、本願商標は、請求人(出願人)の取り扱いに関する業務について、実際に使用されている事実は見受けられるものの、本願商標が、その指定役務である小売等役務において、その取扱商品の産地、品質等を表すものとして、取引上普通一般に使用されている事実を発見することができなかった。
よって、本願商標を、その指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を十分果たし得るものというべきであって、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標とはいえず、また、その指定役務中のいずれの役務に使用しても役務の質について誤認を生じさせるおそれもないものである。
3 まとめ
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当し、かつ、本願商標が商標法第3条第1項柱書の規定の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定は、取り消しを免れない。
1については、平成19年4月1日以降に出願された案件から、あまり広範な商品や役務を指定した場合は資料の提出を求められますので出願前から準備が必要かもしれませんね。また、2については、本願商標から「アルパカを原料とする織物」「アルパカを使用してなる寝具類・被服・身の回り品」の意味が生じるとまで判断したのは行きすぎかもしれませんね。それではまた次回。
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