特許庁の最終判断:商標審決 第16回

今日は、商標審決を取り上げてみようと思います。
具体的には、「Johan」の文字からなる商標を出願したところ、審査段階では「如庵」の文字からなる引用商標の存在を理由に拒絶査定がなされ、その拒絶査定に対する審判が請求された事案です。

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、「Johan」の欧文字と認識され得るところ、特定の称呼、観念をもって親しまれた語とは認めらないものであり、この様な場合、既成の英語の読み等にならい称呼される場合が多くみられる。そうとすれば、例えば、英語の男子の名「John」は「ジョン」と読まれること(小学館ランダムハウス英和大辞典)、また、「an」は英語では「アン」と読まれることからすれば、本願商標「Johan」は全体として「ジョアン」と読まれるものとみるのが相当であり、これより、「ジョアン」の称呼を生ずるものである。

他方、引用商標は「如庵」の文字を表してなるところ、該文字は、特定の称呼、観念を持って親しまれた語とは認められず、例えば、構成する漢字を共に音読みすれば「ジョアン」と読めることよりすれば、「ジョアン」の称呼を生ずるものである。

そうとすると、本願商標と引用商標は、「ジョアン」の称呼を共通にする称呼上類似する商標と認められる。

また、本願商標と引用商標は共に特定の観念をもって親しまれた語でないものであるから、観念について比較する術はなく、それぞれの構成態様の相違より、外観は大きく異なるものである。

してみれば、本願商標と引用商標は、それぞれ、外観、称呼及び観念を総合して全体的にみたときには、それぞれから受ける印象及び記憶を異にし、本願商標を時と所を異にする取引の場において同一又は類似の商品に使用したとしても、出所について誤認混同が生ずるおそれは極めて少なく、類似しない商標とするのが相当である。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。

呼び名(称呼)が類似していても、なお見た目(外観)と意味内容(観念)から全体として類似しないとする事情が審決からは読み取れませんが、最近よく見かける審決ですね。それではまた次回。

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