今日は、商標審決を取り上げてみようと思います。
具体的には、「NIFS」の文字からなる商標を出願したところ、審査段階では引用商標「NISS」(標準文字)の存在を理由に拒絶査定がなされ、その拒絶査定に対する審判が請求された事案です。
本願商標は、前記1のとおり、「NIFS」の文字を書してなるところ、該文字は、特定の観念を生じさせない造語よりなるものであり、その構成文字に相応して「エヌアイエフエス」又は「ニフス」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標は、前記2のとおり、「NISS」の文字を書してなるところ、該文字は、特定の観念を生じさせない造語よりなるものであるが、構成中後半の「iss」の文字を有する語として、例えば、「Kiss(キス)」、「Miss(ミス)」(研究社ユニオン英和辞典第2版 株式会社研究社発行)等があり、それに習えば、「NISS」の文字は、「ニス」の称呼を生ずるとみるのが自然である。
そこで、本願商標の「ニフス」の称呼と引用商標の「ニス」の称呼を比較すると、両者は、中間音における「フ」の有無に差異を有し、かつ、いずれの称呼もわずか2音と3音という短い音構成であることも相俟って、その差異が称呼全体に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が相違し、互いに相紛れるおそれはないというのが相当である。
また、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じない造語と認められるから、観念については比較することができないものであり、外観については、第3文字部分の「F」と「S」の文字が、明らかに相違するものであり、かつ、やや太い実線で表された本願商標と標準文字で表された引用商標とは、その構成よりみて明らかに区別し得る差異を有するものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。
1音違いであっても短い音構成の場合は非類似の商標と判断される典型例といえそうですね。それではまた次回。
商標登録ナレッジコンダクト>>