今日は、商標審決を取り上げてみようと思います。
具体的には、商標「津気屋」を出願したところ、審査段階では「ツキヤ」の称呼(呼び名)が生じる「TUKIYA」及び「月や」の文字からなる引用商標の存在を理由に拒絶査定がなされ、その拒絶査定に対する審判が請求された事案です。
本願商標は、上記1のとおり、「津気屋」の文字を書してなるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で、外観上まとまりよく一体的に表されており、また、その構成中の「屋」の文字は、「家号や雅号、書斎に用いる語。」を意味する接尾語(広辞苑第五版)であり、本願指定役務の業界において、店名を表示する際に、「屋」の文字を接尾語として普通に使用していることから、本願商標に接する取引者、需要者は、特定の屋号あるいは店名を表したものと認識するとするのが相当である。
してみれば、本願商標は、「津気屋」の文字に相応した「ツキヤ」の称呼を生じるものであり、かつ、屋号・店名を表示したものとして認識するとするのが相当である。
他方、引用商標は、上記2のとおり、「TUKIYA」の欧文字の下に前記文字より格別に大きく「月や」の文字をくずし文字風に書してなり、その構成文字より、「ツキヤ」の称呼を生ずるものであり、また、特定の観念は生じないとするのが相当である。
そこで、本願商標と引用商標を比較するに、たとえ、本願商標と引用商標とが、「ツキヤ」の称呼を共通にするとしても、両商標は外観において著しく相違し、さらに、本願商標が、「津気屋」という特定の屋号・店名を認識させるのに対し、引用商標は、特定の意味合いを認識させないことから、両者が、取引者、需要者等に与える印象は大きく異なるものである。
そうとすると、本願商標と引用商標は、出所について、混同のおそれのない、非類似の商標というのが相当である。
したがって、本願商標を、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
称呼(呼び名)が同一であっても、外観(見た目)と観念(意味内容)が相違する場合は、印象が大きく異なるとして互いに非類似の商標と判断するのは、ある意味現実的な判断と言えます。ただ、調査をする身に立ってみれば、登録の可能性があるか否か判断するのに頭を痛めそうですね。
ところで、今年のブログは今日で終わり。来年は5日(月)スタートです。それではまた次回。
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